パーソナルからノンパーソナルへの転換

 

Q:『タンパク質含量が高い血液は使用しないの?』

A:『今のところは使用しておりません。血液も大量に分取できる点では魅力的で、再生可能ですが、採血操作や保存はやはり大変であります。また、肝炎などのウイルスの問題もあります。しかし、髪の毛(+爪)の研究にめどがたてば、第2のステップでの対象と考えております。』

 

Q:『死んだ細胞の塊である毛髪(+爪)を今さら研究して何になるの?』

A:『毛髪および爪の細胞は死んでいても残っているタンパク質(ケラチン)は機能的には生きておりますので、私たちはその性質を利用しております。これを本当に意味があるモノにできるかはわかりませんが、意味をもつ加工品に創り上げるために、試行錯誤しながら研究をしております。』

 

パネル-3:パーソナルからノンパーソナルへの転換

 

Q:『自己由来である毛髪(+爪)を使うとメリットは?』

A:『他人や動物からの原材料ではなく自己由来のため、ウイルス感染はもちろん、アトピーなどの究極のアレルギー対策製品のひとつとなります。拒絶反応が低いことが予測されますので、生体適合性に優れた製品となることを期待しております。』

 

Q:『それだけで、他にメリットはないの?』

A:『日本の国民医療費は毎年約1兆円も増加しております。この原因として、「高齢化」に並んで「高度医療」の負担増に依っていると分析されております。今後、高品質で廉価な医療が求められてきます。セルフリサイクル型の加工品は廃棄生体物質からローテクを組み合わせて創り出しますので、このような社会的な要求に十分応えることができます。

 

Q:『では、どんな加工品ができそうなの?』

A:『加工品としては、フィルム、ゲル、微粒子、ファイバーなどを考えて、創出しております。適用としては、人工皮膚、湿布・パップ基材、経皮吸収基材、薬物送達システム(DDS)用基材などの医用材料を考えております。その他に、化粧品、研究開発(スキャホールド基材)、機能性繊維などの領域での利用を考えております。実際に使用/活用されているのは概要 2の項目で説明しております。』

 

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