ブリーチ施術をおこなった毛髪においては、ジスルフィド結合が酸化してシステイン酸が生じることが知られているので、FT-IRを使用してシステイン酸の形成を調べました(パネル-8)。未処理毛髪とフィルムではほとんど検出できませんが、ブリーチ処理後ではシステイン酸のピークが検出でき、フィルムの方が毛髪と比べて数倍も感度が高いことが示されました。データは示しておりませんが、パーマでの2剤(酸化)処理でも同様なシステイン酸形成の差が見られます。システイン酸はダメージ物質として有名ですので、ケラチンフィルムを使用した実験系はカルボニル形成に加えて利用できます。