熱によるヘアダメージ

 

 ドライヤー熱アイロンによるダメージの分析は、キューティクルの形態観察で主に行われているため、定性的な評価が主となっております。ケラチンフィルムと毛(白)髪を加熱したところ、有意な色変化は180℃以上の処理で同様に両試料において見られました。しかし、この温度は高く、熱ダメージの計測に使用することは現実的ではありませんでした。そこで、還元剤と変成剤を含む溶液を使いタンパク質の溶出で調べたところ、温度に依存して溶出量が低下することを見いだしました(パネル-10)。110?170℃付近での溶出量は直線的に変化するため、日本で使用されている製品の評価に応用できるかもしれません。この変化量もケラチンフィルムは毛髪試料と比較して、約1.5倍高いデータを示しております。

 

パネル-10:加熱による色と溶出タンパク質の変化

 

活用例一覧