研究内容Research
高橋伸英研究室では、環境・エネルギー問題を解決し、持続性社会を構築するための研究を行っています。
排ガスからのCO2分離技術の開発
地球温暖化を緩和するためには二酸化炭素(CO2)の排出量を削減し、大気中の濃度増加を抑制する必要があります。その切り札として、火力発電所、製鉄所などの大規模排出源からCO2を分離回収し、地中や海洋に貯留するCO2回収貯留(Carbon dioxide Capture and Storage)が注目されています。当研究室では、CO2と液体の化学反応を利用した化学吸収法を多孔質な中空糸膜を利用して高効率で低コストに行うためのプロセスを研究しています。
バイオマスのエネルギー利用
バイオマスエネルギーは、大気中の二酸化炭素を太陽エネルギーを利用して光合成により産出される再生可能エネルギーであり、化石燃料の代替エネルギーとして期待されています。特に、日本はバイオマス資源に恵まれた国ですが、未利用木質バイオマス、農業残渣、食物残渣など有効に活用されていません。当研究室では、これらをエネルギーとして有効に利用するためのエネルギー変換技術の開発、プロセス・システムの設計を行っています。
バイオマスのマテリアル利用
エネルギー利用では経済性が成立しにくいバイオマスを、高機能化し付加価値を高めることにより有効利用します。活性炭の製造や、バイオマスと粘土を混合したセラミック炭という新奇な吸着材料の開発、現象の解明に取り組んでいます。
(半)乾燥地を利用した植林によるCO2固定技術の開発
CO2を大気中から回収し固定する方法として植林があります。植物の光合成を利用してCO2を固定するため環境にやさしい方法です。しかし、植物の成長に適した地域は食料生産のために確保しておかなければいけません。そこで、地球の陸域面積の3〜4分の1程度と大きな面積を占める乾燥地・半乾燥地に注目しました。これらの地域を利用して大規模に植林しCO2を固定できれば、地球温暖化の抑制に寄与できると期待されます。当研究室では、(半)乾燥地で少ない水を有効に利用し、低コストで炭素を固定できる植林技術、土壌改良技術、それらを統合した炭素固定システムの開発を行っています。
再生可能エネルギーの導入促進に向けた取り組み
化石燃料の代替として、再生可能エネルギーの導入を進めるための取り組みを行っています。特に信州は太陽光、水、バイオマスに恵まれた地域です。地域の再生可能エネルギーのポテンシャル評価、導入量予測などを行うとともに、地域の方々と協力し、導入促進を進めています。